鋼の飯屋

アニメや漫画の感想をとりとめなく綴っています

「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」〜映像作家としての夢を語った映画〜

いきなりタイトルとは関係話から入りますが、以前にニコ生で岡田斗司夫さんがハルヒの感想を語っていたことがありました。

岡田斗司夫ゼミ特別編「岡田、ハルヒ観たってよ」~涼宮ハルヒの憂鬱からエンドレスエイトまで~ ‐ ニコニコ動画:GINZA

その中で、ハルヒのアニメ、特にエンドレスエイトの話は制作者の夢を語った作品であると話していました。その詳しい内容は動画で観てもらうとして、その話を聞いたとき、僕は「逆襲のシャア」という作品もまた制作者の夢を語った作品だったのではないかと思いました。

逆襲のシャア」のクライマックスで、サイコフレームが地球圏の多くの人々による意思の共鳴を引き起こし、サイコフレームの光(アムロの表現では「人の心の光」)を見た兵士たちは敵味方関係なく地球に落下するアクシズを止めようとします。そしてアクシズ落下の最終段階では、地球圏に生きる人々の多くの思惟とサイコフレームが共鳴し発生した大規模なサイコ・フィールドが、地球へ落下しつつあったアクシズを宇宙へ押し戻し、地球は壊滅の危機を免れます。

 
あらためて「逆襲のシャア」という作品について考えたとき、この最後の場面に富野監督の映像作家としての夢が込められているのではないかと思いました。サイコフレーム、もしくはサイコフレームの光とは映像作品のことであり、それを観た人々が心をひとつにする。そんな作品を作りたいと思っているし、常にそんな作品を目指してアニメを制作している。「逆襲のシャア」とはそんな想いが込められた作品であったのではないかと感じたのです。